「カジノ法案」が生む経済的意味とは?

衆院委を通過した「カジノ法案」。この法案が現実味を帯びてきたことで、カジノビジネスに名乗りを上げたい企業も多いのではないだろうか。

シンガポールにはサンズとリゾートワールドセントーサの2つのカジノがあるのだが、マリーナベイサンズ等を運営している世界的なサンズとは対照的に、リゾートワールドセントーサはマレーシアのゲンティングループが運営している。数年前にカジノ経営が右肩下がりとなり大幅なリストラを行ったりもした。不動産王として名が知れていたドナルド・トランプ現米国大統領も、かつては不動産ビジネスからカジノビジネスへの参入を目論んでいたが、断念したという経緯があるほどその道は厳しい。世界中のカジノリゾートはラスベガスにあるような、ノウハウを持つグローバルな運営会社が事業でないと参入できないといわれている。カジノフロアの設計やディーラーなど従業員の育成、さらにはさまざまな不正を防ぐための仕組みを含め、新規参入者にはマネジメントするのは不可能なのだ。日本でカジノができる場合にも同様に、その運営会社は海外の複数拠点で既に実績のあるグローバルなインテグレ―テッドリゾート運営会社になるとみられている。

インテグレ―テッドリゾートを誘致するには、地方都市ではなく大都市に建設する方が日本全体にもたらす経済効果は大きくなる。訪日外国人をターゲットにした場合も交通網が発達した大都市の方が消費額は格段に多いのだ。シンガポールのように世界中の人が見たこともない建物があるなどでないと、後発のインテグレ―テッドリゾートに世界中から人が集まるということは珍しいのだ。

富裕層が増大する社会では、富裕層にいかに消費をさせるかを考えが出てくるため、世界中のインテグレ―テッドリゾートには有名なブランドばかりが集まったモールや富裕層がお金を使う施設が存在している。そういった観点から日本の中でも大都市といわれる場所や、お金を使うような観光地の近くに誘致するのが一番経済的意味があると言えよう。

参照:Money Forward

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